概要
警察学校は、警察職員として必要な基本的知識・技能を学ぶための全寮制の職業訓練の場です。警察官採用試験に合格すると初任科生として大学卒業者は6ヶ月、それ以外の高校卒業者等は10ヶ月の訓練を行い、それぞれの警察署へ配属されます。
また、配属された後も再度警察学校へ入校し、初任補修科生として大卒であれば2ヶ月間、高卒であれば3ヶ月間、より実践的な訓練を行います。昇任試験に合格したときや刑事などになった時も警察学校へ入校します。
住所
札幌市南区真駒内南町5丁目1番7号
学校長
学校長は警視正(上から4番目の階級)が着任しており、警察組織の中ではかなりえらい地位の人と言えます。イメージは教育学校の学校長と似ています。
教官
教官は警部補や警部が着任しています。分野ごとに担当の教官がおり、授業を行っていきます。教育学校の教師との違いは、すべての教官が声の大きさと気迫を兼ね備えていることです。
一般人とは違う雰囲気に戸惑うところもありますが、同じ人間であることは変わらないので思いやりや優しさもあります。信頼関係を築くことも出来るでしょう。
入校生
同じ日に入校であっても、大学卒業者と高校卒業者では、別の期で分けられます。任命されて間もない大学卒業期と高校卒業期の他にも、部長等の昇任試験に合格した警察官や刑事になった警察官たち等も入校してくるため、生徒がすべて新人とは限らない。同期かと思って知らない人に話しかけると肝を冷やすことになるので注意しましょう。
教場(班)
警察学校に入校した際は、教育学校と同じようにクラス分けされており、1班、2班…や(教官名)教場と呼んで区別されています。初任科第〇期〇班となります。知識や技能等を班ごどに競い合ったりするため、自然と団結力を高められていきます。
班構成は、教官・副担当教官、総代、副総代、室長、室員から成っています。教官からの連絡事項は総代から下へと通達されていきます。
総代
総代は入校生の代表として1名任命されています。基本的には成績順や入校した巡査の最年長等が総代に選ばれています。業務は、入校生のリーダーとして教官からの指示を受け、同期の巡査に通達したり、行事の際に入校生代表として挨拶を述べたりすることです。
他の巡査に比べると、忙しくなってしまいますが、他の巡査にはできない経験を積めたり、存在を覚えてもらうことができるというメリットはあります。
また、卒業時の点数に加点されるとも言われている。この点数が、卒業後に希望の地域へ配属されるかどうか影響すると言われています。
副総代
総代の補佐という立場で、各教場から一人ずつ選ばれています。総代同様に年長組から選ばれます。
室長
学校内の寮では一部屋8人程に分けられて生活し、その室員をまとめるのが室長です。室長も年長組から選出されます。総代・副総代からの連絡を受け、室員に通達する役割等があります。訓練時も部屋ごとのチーム分けで行動することが多く、室員を引っ張っていく立場になります。
設備
教場
自分の班の教場や大人数が入る教場などがあり、授業内容に合わせて使い分けています。
クーラーなどはなく、非常に暑い空間での授業になります。そのため、座学中の飲水は許されていることが多いです。
講堂
授業や集会等に使われています。入校式等も行われ、テレビ局の人も訪れます。
体育館・柔道場・剣道場
授業や自主練時に利用することができます。
トレーニングルーム
シャフトと重りがあるのでベンチプレスやスクワット等はできるますが、重量は限らているため、100㎏前後が限度です。懸垂やラットプルダウンなども出来ます。非常に狭いルームのため10人もいれば自由に使うことはできなってしまいます。
自由時間に利用することができますが、本気でトレーニングしていた人には物足りない設備となっています。
射撃場
拳銃訓練を行う場所ですが、基本的には授業時以外には立ち寄りません。非常に管理も厳しい施設となっています。
グランド
ランニング等や体育イベント時に使用されます。1週300~350m程の土のトラックに芝生と土の混ざったのフィールドとなっています。
売店
飲食料や授業に使うもの等が販売されており、自由時間等に利用することができます。
食堂以外で唯一の食糧調達場所となるため、よく行列ができます。利用可能時間になってすぐに行くなど、タイミングを狙って行かないと貴重な自由時間が減ってしまうことになります。
なお、警察官をモチーフとしたお土産?記念品?のような物も売られていますが、入校当時は警察愛は持てなかったため、とても買う気持ちにはなれませんでした…
寮(北寮、南寮)
北寮と南寮があり、大卒期と高卒期で分けられたりします。授業以外はここで過ごすことになります。
部屋は共同の大部屋の中に、人数分の机が壁に向け一列同方向に設置されています。机の反対側には、開き戸と壁で仕切られた2~3畳の小部屋が存在し、ロッカーとベットが在中しています。この中で洗濯物を干したり、睡眠を取ったりします。
ちなみに、北海道警察のホームページに、生活環境の写真が掲載されています。
当然男女は階ごとに分かれており、侵入するものなら即クビとなるでしょう。
下手すれば住居侵入罪ですから大問題になってしまいます。
浴場
共同の浴場があり、班ごとに利用時間が決められている。
広さは、20人程が入れる浴場が一つあり、その周りを囲うように洗い場が設置されている。
警察学校は基本的に厳しいところ
警察学校は、なんとなく試験に受かったから来たみたいな人ではすぐに辞めてしまうでしょう。自由も少なく、勉強や運動が苦手な人には過酷な環境となります。まれに警察学校は天国と言っている人もいますが、一般的な環境で過ごしてきた人には厳しい地獄のようなところと言えます。
しかし、まじめに取り組めば、様々な知識や技能を身に着けることができ、人間として大きく成長出来る場所でもあります。
警察学校は厳しいところというイメージがあると思いますが、本当に辛いのは学校を卒業して現場に出てからです。学校程度で音をあげているようではやっていけないため、本気で警察官を目指している方は揺るがない決意を持って頑張ってください。
警察学校の生活
北海道警察学校での実際の生活についてはこちらからお教えします!
コメント