警察官の正当な拳銃使用や要件について解説!

けん銃の所持を許されている警察官ですが、どんなときに使用することができるのか、その要件やけん銃の扱いについて解説していきます。

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けん銃の携帯

警察官の貸与品の中にはけん銃があり、全ての警察官は一度はけん銃を取り扱うことになます。
サイバー警察など、現場で活動しない警察官も警察学校でけん銃訓練を行うため、発砲経験はあります。
制服警察官は、上からの指示が特別ない限り基本的に毎日携帯することになっています。

けん銃の弾の管理は署で厳重に行い、勤務の際に毎回弾を込めます。
もちろん、けん銃や銃弾の紛失は大問題と何らかの処分を受けることになります。

しかし、毎年、警察官のけん銃の置き忘れなどの不祥事が発生しています。
もしけん銃が悪人の手に渡ってしまったら大変なことになりますので、けん銃の管理は重要なのです。

正当なけん銃使用

警察官職務執行法には、「犯人逮捕、逃走防止、防護、公務執行に対する抵抗の抑止のため必要と認める相当な理由のある場合に、合理的に必要と判断される限度において使用することができる」と書かれていますが、 正直、いまいちわからないと思うので、噛み砕いて説明したいと思います。
けん銃の発砲までには、けん銃の取り出し→けん銃を構える→射撃予告→威嚇射撃→発砲という流れがあります。

けん銃の取り出しについては、無線で犯人が凶器を持って暴れているなどの情報があり、けん銃の使用を予想することができるのであれば、あらかじめけん銃を取り出しておくことができます。

けん銃を構えとは、銃口を相手に向ける状態であり、次のような場合にけん銃を構えることができます。

  • 警察官が現場へ到着した際、犯人が刃物等の凶器を警察官へ向けて抵抗しようとした場合
  • 犯人が隠していた武器を取り出そうとした場合
  • 暴走族等ががい集している現場で、鉄パイプ等を警察官に向けて身構え、抵抗しようとした場合
  • 犯人が通行人を襲い掛かろうとしたり、人質に取ろうとしている場合 等

次に予告・威嚇射撃ですが、発砲する前には、「武器を捨てろ!撃つぞ!」等の予告が必要になります。
そしてこの予告をしても犯人が止まらない場合は威嚇射撃をします。
けん銃の使用が適正だったかどうかは、この予告・威嚇射撃があるかないかでも重要な判断基準にもなります。


威嚇射撃は基本的に人のいない真上への空に向かって発砲します。
高層ビルが並ぶ街中で真上以外に撃ってしまうと、ビルにいた人や近くにいた人に跳弾してしまう可能性もあるからです。
では、真上に撃った銃弾どうなるのかというと、もちろん落ちてきます。
しかし、日本においては、威嚇射撃自体が少なく、落ちてきた銃弾にあたる確率はかなり少ないです。そのため、日本では威嚇射撃による被害は報告されていません。

また、落ちてきた銃弾の威力は、弱まってはいますが、人がケガする程度の衝撃はあると考えられます。


そして、この予告・威嚇射撃しても犯人が抵抗等を辞めない場合には、発砲することになります。
ここまでの警告があって、正当なけん銃使用であったと認められるのです。
犯人が刃物を持っている現場に駆け付けた警察官が、いきなりけん銃を発砲する行為は、正当なけん銃使用とは認められないのです。

ただし、危険がまさに迫ろうとしているうときには、予告や威嚇射撃なして発砲することができます。
犯人に刺されそう、撃たれそうな時に予告なんてしていたら殉職してしまいますからね。

銃社会である米国などに比べると、危険が少ない分、けん銃と扱いについても厳しいのです。

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